こんにちは。ディレクタスの青木です。

今回は5月27日(月)に開催しました弊社主催のセミナー「サンリオ、再春館製薬所に聞く顧客エンゲージメント向上のための取り組み ~ Salesforce Marketing Cloud ユーザートーク ~」の第2部 「 「好き」で螺旋を描きたい。サンリオ、試行錯誤のメルマガブランディング 」についてご報告いたします。
第2部では株式会社サンリオ マーケティング本部 ダイレクトコミュニケーション統括部 オウンドメディア課 角谷 治美氏にご登壇いただき、サンリオとファンの間のきずな作りについてお話しいただきました。
 


サンリオがメルマガで求められているものとは?

サンリオは「Small Gift Big Smile」を企業理念として、今まで300以上のキャラクターを開発し、製品販売、ライセンスビジネスを行ってきました。そんなサンリオは、自社を「まるでアイドル事務所のよう」と例えます。


“アイドル事務所”であるサンリオが情報発信の場とするのは、公式ウェブサイトをはじめTwitterやFacebook、そしてメルマガやLINEなど、多岐にわたります。

様々なメディアを運用するなかで、“不特定多数”に向けて情報が次々と流れていくという側面が強い「SNS」と、“One-to-Oneコミュニケーション”を可能とし手元に残る「メルマガ」、それぞれの立ち位置を再認識したとのこと。

元々キャラクターは“アイドル”であるため、メルマガの開封率やクリック率は高め。会員数も順調に伸びていることから、角谷氏は、『サンリオのメルマガでは、キャラクターのファンが“一個人”として認識され、見たい時にいつでも見返せるような、“私”のメディアが求められているのではないか』と言います。

ユーザー動向を掴むためにした「調査」

サンリオがメルマガを発信する目的は、キャラクターを永続的に愛してもらうため。

「ファンだから、メルマガは喜んでくれているはず」と思いながらも、「メルマガの開封率やクリック率は、キャラクターを好きでいてくれること、“愛”と関係があるのか?」と角谷氏はいつも疑問に思っていたとのこと。

メルマガ読者を正しく理解する必要性を感じ、ディレクタスの分析チームと、過去の顧客行動データからメルマガのユーザー分析を実施しました。同じ人が毎回開封しているのか、違う人なのか。分析を実施することで、ロイヤルユーザーの動向が見えてきました。
また、実際にメルマガ読者に会ってインタビューを実施することで、読者のサンリオへの強い「愛」を感じたと角谷氏は言います。
『メールの通知だけで、“サンリオからお便りが届いた”と喜んでくださっていた。メールひとつ、本当に手が抜けないな、と実感しました。』

指標である「愛され度」を向上させるために

ファンの「愛」を何で測るのかを考えたサンリオでは、「好き」の反対は「無関心」であり、好きならば知りたいと思い行動(クリック)するのではないかと考えました。
そこでメルマガの指標を「愛=クリック」と定義し、一部ディレクタスと協業のもとクリック率UPを狙うため下記のような施策を行いました。

●デザインリニューアル→ABテストの実施

サンリオ独自の「かわいい」画像をもっと大きく効果的に見せてクリックを誘発するため、“完全スマホ最適化”を実施。

●かくれんぼコンテンツ

ファンはエンターテイメントを求めているのではないのではないかと考え、キャラクターが通り過ぎていく、動く画像をメルマガ内に隠れコンテンツとして設置。遊び心を演出したが、気づかれず・・・

●メルマガ限定読み物コンテンツ

サンリオの豆知識情報を記事にしてみたものの、反応はいまいち。

結果の良し悪しはあるものの、ファンの「愛」に応えるべく、今後も様々な施策を検討中とのことです。

ユーザーとの双方向性がキーとなる?

さらにユーザーのことを知りたいと思ったサンリオでは、“「キャラクター大賞」の前と後で、キャラクターの認知に差がでるのか?”を主目的とし、ディレクタスサポートのもとアンケートを実施しました。アンケートメール送付後10分以内に700件の回答が集まり、大きな手応えを感じたと話します。


アンケートメールをきっかけにMovable Inkを導入したサンリオでは、既に実施済みのカウントダウンメールの他、リアルタイム投票など、ユーザーと双方向コミュニケーションが可能なさまざまな取り組みを考案中。

『クリック率や開封率などから、お客様の情報が断片的に把握することが出来てきた。引き続き、お客様の「好き」という気持ちに寄り添って行きたい』とお話されました。

 


常に顧客の代弁者であるために、デジタル領域で出来る「ファンとのきずな作り」の在り方を考案し、実践し続けるサンリオ様のファンコミュニケーションから、メルマガにおけるブランディングの重要性を改めて感じることができました。

なお、本セミナーでは資料を配布しておりませんので、詳細についてはご遠慮なくお問い合わせください。お問い合わせはこちら

>第1部「人と人とのつながりを活かす!お客様とのデジタル時代の関係性つくり」はこちら
 

青木 香帆

大学卒業後、比較サイトなどの自社メディアを運営するITベンチャー企業に入社。法人営業・人事業務に従事。 その後ディレクターとしてディレクタスに入社し、航空会社や保険会社などの大手クライアントのEメールマーケティング企画制作に加え、2017年よりLINEチャットボットのシナリオ制作なども担当。