事業開発グループの金子と申します。私の所属する事業開発グループはディレクタスにとって新しいサービスを立ち上げたり、海外のサービスと契約を交わし日本での販売代理を行う体制を作ったりしています。以前の記事では、Sunday Skyのカントリーマネージャー島村様にお話をお伺いしまして、Sunday Skyの特長などをご紹介しました。
今回は、ディレクタスが数年前より注力しているMovable Ink (ムーバブルインク)について、Movable Ink社の日本での代表を務めていらっしゃる松永様にお話をお伺いいたしました。
ディレクタス金子(以下、金子):今日はよろしくお願いいたします。まずMovable Inkの特長について改めてご紹介いただけますでしょうか?
Movable Ink松永様(以下、松永様): まずMovable Inkの製品についてですが、簡単に言うとリアルタイムで1to1パーソナライズされたコンテンツを自動生成するための製品です。Eメールやアプリプッシュメッセージなどに表示するコンテンツをダイナミックに生成します。
Movable Inkの会社についてですが、ニューヨークに本社がある会社でして、去年、評価額が13億ドルと評価され、いわゆるユニコーンカンパニーという地位を獲得しています。技術とサービスはもちろんのこと、個人的に素晴らしいと思っているところはMovable Inkの文化だと思っています。若いメンバーが中心的な役割を持ち意見を出し合い、自己実現がしやすい環境をマネジメントが整えています。働きやすい企業としてよくランクインしているような会社です。他社に比べて社員をとても大切にしていると感じます。
海外ではダイバーシティを大切にしている企業は多いと思うのですが、Movable Inkでは従業員の多様性を尊重するようなプロジェクトを社内にいくつも作っていて、それは他社とは異なる特徴的な点かもしれません。例えば、Movable Inkには女性従業員のコミュニティであるMovable Pinkというプロジェクトがあり、社内のSlackでは、関連する記事やアイデア、意見交換などが頻繁にやり取りされています。Movable Inkには、誰もが働きやすく、かつ誰もが尊重される文化があると思っています。
また、Movable Inkの特徴として、クライアントセントリック(顧客中心主義)という点もあります。海外の企業では売上だけを大切にしている企業もあると聞いていますが、Movable Inkはとにかくクライアントを大事にしています。
金子:クライアントセントリックということについてもう少し教えてください。クライアントセントリックというのはいろいろなところでよく聞きますが、Movable Inkにおいてどうやって具現化させているのでしょうか。
松永様: わかりやすいところで言えば、営業面ですね。先ほど申し上げた通り売上至上主義ではないので、クライアントがMovable Inkを使って成功するということが確信できなければお客様と契約することはありません。日本においても、大変申し訳なかったのですが、それで契約をお断りするケースがこれまでにもありました。
例えば、Movable Inkにはカウントダウンタイマーという機能があります(※注 その名の通りEメール上でカウントダウンをするタイマーを表示する機能)。このカウントダウンタイマーは、Eメールに載せると瞬間風速が出せます。カウントダウンタイマーを利用するとEメールからのCVRが3倍になったりする事例はたくさんあります。でも、それはサステナブルではありません。Eメールを受け取るユーザーが何度もカウントダウンタイマーのEメールを受け取ると、徐々に風速は落ちてきます。
松永様: Movable Inkが継続的にクライアントのビジネスに貢献するためには、ユーザのウェブサイト上の行動データやクライアント企業が保有するファーストパーティデータをMovable Inkにおいても活用して、顧客に1 to 1パーソナライズされたメッセージを配信することです。それにより、CTRとCVR、エンゲージメントが持続的に向上し、数年先でも高いパフォーマンスを発揮できます。保有しているデータを活用したMovable Inkの活用プランがないと、Movable Inkは契約をお断りするケースがあります。ですので、ご契約の前に利用活用プランについて何度も会話させていただき、シミュレーションも作成します。
最近、特に変わってきたと感じることとして、これまではキャンペーンや施策ごとにMovable Inkを利用して効果が出るかどうかを見ているクライアントが多かったのですが、最近ではクライアントの意識が変わってきていてCDPと連携した上で顧客ごとに効果を見ることが多くなってきました。行動データなども含めた各種データをMovable Inkに連携し、Movable Inkをハブにして1 to 1のパーソナライズしたコンテンツを生成し配信することで、クライアントのビジネスに貢献できると思っています。
金子:ありがとうございます。最後に、ディレクタスに期待していることを教えていただけますでしょうか。
松永様: ディレクタスは、技術面でもマーケティングのノウハウ的にも各社から頼られていると感じています。そして、デジタルマーケティングの縁の下の力持ちだと感じています。欧米と比較して、日本のデジタルマーケティング業界における課題は、データセントリックではない、まだデータをうまく使えていないということです。この課題解決のきっかけを作るのはディレクタスのような専門性の高いプロフェッショナル集団だと思っています。ディレクタスと日本のデジタルマーケティング業界を一緒に盛り上げていきたいです。