こんにちは。ディレクタスの重兼です。
今回は2月14日(火)に開催されました「富士通マーケティング フォーラム2017 – デジタルビジネス時代のICT利活用 -」に弊社代表 岡本が登壇しましたのでご報告します。本セミナーでは「AI時代の顧客接点 進化する1 to 1マーケティング」と題し、1 to 1マーケティングの変遷(進化過程)と新しいプラットフォームやテクノロジーによるこれからのマーケティングについてお話しました。

なぜ今1 to 1マーケティングが求められるのか
そもそも1 to 1マーケティングとは何か

まず1 to 1マーケティングが今求められている背景について、“カスタマーセントリック”と“カスタマーエクスペリエンス”の2点から説明を行いました。

従来のように企業から情報を発信するのみではなく消費者から情報を発信することが多くなりました。そのためマーケティングも消費者に合わせた“カスタマーセントリック(顧客中心主義)”の考え方やアプローチが重視されてきています。

また、“カスタマーエクスペリエンス”として、例えばカメラを買うようなケースを考えてみたとき、顧客は購入検討・購入・購入後(使用、サポート)と、カメラを軸に全ての過程を含めてお金を支払っていると言えます。それら体験を通じて顧客が感じる価値“カスタマーエクスペリエンス”を高めることで長期的なファンを増やしていけると思われます。

 

“顧客一人一人に最適な製品やサービスを提供すること”はただの手段にすぎず、本来の目的は「1 to 1の顧客体験」を通して顧客と強い関係を築き、Life Time Valueを最大化することであると述べました。

 

1 to 1を新たな段階に進めるプラットフォームとテクノロジー

1 to 1マーケティングのあり方も過去からの進化過程に応じて、大きく異なっています。
岡本は以下の4段階の進化過程に分けて説明しました。

①コンテンツの1 to 1
②タイミングの1 to 1
③クロスチャネル
④全チャネルで一貫した顧客体験

4つ目の「(4)全チャネルで一貫した顧客体験」は、実店舗やコンタクトセンターといった顧客とのタッチポイントを全て統合した顧客体験の提供で、これは未だ一部の会社が検討を始めた段階と言えます。

そして今後1 to 1マーケティングを実践するうえで、以下の3点が大きな影響を与えるであろうと紹介しました。

①Chatプラットフォーム
LINEやFacebookのメッセンジャーを例に、その特徴として「自然言語による“会話”にこだわらない」「目的を遂行するタスク志向」を挙げ、ChatアプリがSNSを超えたプラットフォームになりつつある。

②Chatbot
現時点でのbotの機能として、顧客からの問い合わせに対し自動で受け答えすることが注目されているが、今後は顧客DBと連携しbotから顧客へ「問いかける」ことによる新しいマーケティング活動が増えると予想される。

③音声認識技術
Amazonの人工知能スピーカー「Echo」のように、音声を自動で認識して商品の発注や家電への操作支持を行う機能は、今後のライフスタイルやマーケティング活動を大きく変えると思われる。

これらによりマーケティング活動とサービス活動の垣根が一層低くなっていくと考えれます。ご来場いただいた皆様も特に聞き入っているようでした。

今後1to1マーケティングを進めるうえでの課題

顧客とのタッチポイント全て含めたマーケティングを行なうためには、各チャネルを管理している部署が異なるため、組織自体をデザインし直す必要があります。
これは非常に大きなハードルですが、組織を変えない限り、新しく登場するベンチャー企業に負けない新しいサービスを提供することが難しくなるでしょう。
また、テクノロジーの進化により、組織間の壁のほか、広告とCRM、マーケティングとサービス活動など、それぞれの壁を取り払って考えることが求められると岡本は説明しました。

———————————

本セミナーでは時間の関係上、質疑応答等を行なうことができませんでしたが、ご来場いただいた方はもちろん、ご参加いただけなかった方も気になる点があればお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら

重兼 槙夫

商社系IT企業にて、コンタクトセンター向けソリューションや企業内コラボレーション ソリューションの提案・導入を行い、損害保険関連企業を経て、ディレクタスに入社。