先日、2月下旬に開催した「ディレクタス Eメールマーケティングセミナー」の特典としまして、「メールマガジン無料診断サービス」を抽選で10社様に実施させていただきました。
私も、当社で考案しました評価軸を元に何社か診断させていただきました。

担当させていただいた企業様は、業種はまちまちで主に自社で制作されている企業様が多く、どの企業様もいろいろ工夫があり診断している自分も勉強させていただきながら、興味をもって診断させていただきましたがその中で、共通して指摘させていただいた事項がいくつかありました。
今回はその1つをご紹介します。

共通して指摘させていただいた事項は、実は、単純なのですが

「貴社がメールで伝えたいこと=メール読者が欲しい情報」ではない

ということです。
メールマガジンの作成過程で、複数部署からの依頼を受けているうちに、またはこれを入れるならあれも入れておかないと、と考えていくうちにいつの間にかコンテンツが多くなっている…、ということは本当に良くあることです。
例えば、診断させていただいたメールマガジンには以下のようなものがありました。

1) HTMLメール内のあるキャンペーンを伝えるメインビジュアル的なバナーで、注意書きや説明が多い為にキャンペーンのインパクトが薄れ魅力伝わっていない
2) 紹介したいコンテンツがいくつもあって目次が13もあり、いかにもボリュームが多く感じられる
3) 実店舗の新店情報を掲載したいので紹介しているが、それは読者の居住地区を全く考慮していない

それぞれの解決策としては、お話させていただいたのは、以下のようなことでした。

1) メール上での注意書きは必要最低限としてメールのみで完結するのではなく、メールをリード(導入)と考えて、いかに伝えるかに注力して作成し、その他必要なことはランディングページで伝えることにしましょう。
2) まずは本当に必要なコンテンツなのか整理しましょう。
その上で必要なコンテンツが多い場合は、コンテンツのボリュームや見せ方にメリハリをつけて多くないように見せましょう。または、掲載したいコンテンツのまとめのランディングページを作って、そこに誘導しましょう。
3) 新店情報を載せる必要があるのであれば、地域毎に切り分けてメールマガジンを発行しましょう。

メールマガジンというのは、「わかりずらい」「読むのが面倒・苦痛」「自分に関係ない」と思われてしまったら、読んでもらえなくなるメールになってしまいます。
前回のコラムでも紹介した「隠れオプトアウト」が増えるのもこういうことから始まります。
メルマガの作り手サイドとしては、メールに情報をもれなく詰め込むのが目的ではなく、どうしたらメール読者に、伝えたい情報が伝わるか、そこを一生懸命考えて作る必要があります。
いわば自社都合の為に作るのではなく、読者の為に作る必要があるのです。

岡本泰治

京都大学卒業後、株式会社リクルートを経て1993年ディレクタスを設立。 航空会社や自動車メーカーなど大手企業のEメールマーケティング戦略を立案・実行し、近年ではマーケティングオートメーション(MA)の導入支援やシナリオ設計、MA導入後のOne-to-Oneクロスチャネル展開設計など、常に最新のソリューションと長年培ってきたノウハウをもとにOne-to-Oneマーケティングを推進。