こんにちは!ディレクタス インターン生の横田です。
今回私は、2019年のEC売上上位100社を対象に、顧客とのOne-to-Oneコミュニケーションにどのチャネルを利用しているのか、また、LINEのような新しいチャネルがどの程度活用されているのかを調査するプロジェクトに参加しました。
調査対象の企業はこちらに掲載されているEC売上上位100社です。

※ランキング出典
宏文出版株式会社 『月間ネット販売』10月号掲載 第19回ネット販売白書の売上上位100社を対象。

メールは当然のようにすべての企業で利用されているので、それ以外に顧客IDと連携してOne-to-Oneが可能になっているLINEやアプリによるコミュニケーションがどの程度利用されているのかを調査した結果を以下に報告いたします。

メール以外のチャネルの利用状況調査(各種SNSや自社アプリの有無などを調査)はこちらをご覧ください。

メール以外のOne-to-Oneチャネルを保有している企業は約7割!

顧客とのOne-to-Oneコミュニケーションが可能なメール以外のチャネルとして、ID連携が可能なLINEアカウントと自社アプリの有無を実際に各サイトに訪問して調査した結果、下記のようになりました。
・【ID連携が可能なLINEアカウント:あり 自社アプリ:あり】…37社
・【ID連携が可能なLINEアカウント:なし 自社アプリ:あり】…31社
・【ID連携が可能なLINEアカウント:あり 自社アプリ:なし】…3社
・【どちらもなし】…29社

LINEID連携か自社アプリの両方またはどちらかを利用している企業は100社中71社あり、約7割の企業が顧客とのOne-to-Oneコミュニケーションが可能なメール以外のチャネルを保有していることがわかりました。

【メール以外のOne-to-Oneチャネルの保有率】

クロスチャネルの活用実態は?

約7割の企業がメール以外のOne-to-Oneを可能にするチャネルを保有していますが、実際に活用はされているのでしょうか?
次はメール・LINE・自社アプリを使って、顧客のwebサイト上での行動を起点としたOne-to-Oneコミュニケーションが行われているのかを実際にサイトに登録をして調査しました。

【調査概要】

■期間
2019年12月16日~2020年2月2日
■対象企業
100社中52社。(LINEのID連携もしくは自社アプリを利用している企業(71社)の中で、無条件(*1)でECサイトの会員登録が可能かつ、その会員情報とLINEかアプリの連携が可能な企業が対象)
■方法
①各ECサイトとLINEもしくは自社アプリの会員情報を連携させた状態で、ECサイトにログインする。
②各ECサイト内で「商品の閲覧」「お気に入り登録」「カートへの追加」の三段階の行動を起こす。
③その行動に対する企業からのアクションの有無をチャネルごとにカウント。
(例えば、お気に入り商品のリマインドや登録した商品の在庫や値下げの通知などをカウント)

*1 資料請求や初回購入、定期購入、実店舗の会員カードなどがチャネル間の連携に必要な企業は対象外。
※各行動の際、ECサイトへのログインは全てブラウザの検索からに統一。
※各行動間は最低3日以上の間を空ける。

実験結果

①52社中36社(約70%)でいずれかの行動に対してアクションがあり、その中ではメールでのアクションがあった社数が最も多い。(表1)

【表1:チャネルごとのアクション社数】

②どの行動においても、メールでのアクション社数はLINE・アプリよりも多い。(表2)

【表2:行動ごとのチャネル別アクション社数】

③実店舗を持つ企業のうち、アクションがあった企業のすべてでメールでのアクションがある。(表3)

【表3:実店舗と行動に対するアクションの関係】

以上の調査結果から、調査対象の約7割の企業が、顧客のweb上での行動を起点としたOne-to-Oneコミュニケーションを実施しており、予想通りメールが最も多いものの、LINEやアプリの活用も確実に進んでいることがわかりました。

また、実店舗ありの企業(不明な企業も含む)のECでは、いずれかのアクションがあった社数の割合が約6割であった一方で、実店舗なしの企業(EC専業)では、11社すべての企業でアクションがあったことから、EC専業の企業ではマーケティングオートメーションの導入もより進み、One-to-Oneコミュニケーションが重視されていることがわかります。(表3)

チャネルの組み合わせ利用

こちらもメール単体、もしくはメールとのクロスチャネルが多いという結果になりました。
しかし、少し驚いたのは、メールの送信がなくLINE単体、アプリ単体でのアクションがある企業があったことです。LINEやアプリを優先してメールを止めるといったコントロールをしているか、LINEやアプリだけで施策を設定している可能性があります。
いずれにせよ、LINEやアプリの活用が進んでいることがこの調査からもわかりました。

【チャネルの組み合わせ利用状況】

 

顧客行動起点のOne-to-One実施率は7割、クロスチャネルが進んでいる

今回の調査を通して、EC売上上位企業においては、約7割の企業が顧客のwebサイト上の行動を起点にしたOne-to-Oneコミュニケーションを実施していることがわかりました。

その中で、予想通りメールを活用している企業の割合が最も多いものの、LINEやアプリの活用も確実に進んでおり、メールとの使い分けも意識されている可能性があることがわかりました。

今回の調査を終えて、大学生個人の感想としては、企業にとってメールでの顧客コミュニケーションは当然であるということにまず驚きました。よく思い返すと、日常生活での利用頻度はメールよりもLINEやアプリの方が多いのですが、コミュニケーションとしてOne-to-One性をより強く感じるのはメールだと思います。メールでのコミュニケーションは私個人に対する大切な連絡というイメージがある一方で、LINEやアプリはより日常生活になじんでいるイメージがあります。
今回の調査でもメールとの使い分けを意識している可能性のある企業がありましたが、今後、個人やタイミングによってチャネルを使い分けるという施策は進んでいくのではないかと思いました。

横田 航

横田 航

2016年4月に法政大学人間環境学部に入学。 その後、就職活動中に出会ったマーケティングオートメーションに関する記事からマーケティングに興味を持ち、2019年9月にディレクタスにインターン生として入社。人材開発グループに所属。