こんにちは。ディレクタスの谷米です。
2013年5月21日~23日にサンフランシスコのマリオットホテル マーキスで、Responsys社のイベント『Responsys Interact 2013』が開催されました。世界中からデジタルマーケターが集まり、キーノートやブレイクアウトセッション、展示、ワークショップが行なわれ、マーケティングコンセプトや活用事例等が発表されました。

この『Responsys Interact 2013』の模様を、2回に分けてご報告します。

今回のコラムでは、Responsys社が提唱するマーケティングコンセプトについてご紹介します。

※「Responsys Interact Suite」とは、複雑な条件に基づいて顧客ごとに最適なコンテンツを自動メール配信できるクロスチャネル・キャンペーン・マネージメントソフトウェアです。
「Responsys Interact Suite」プロモーションサイト

※「Responsys Interact Suite」を提供するResponsys社は、リレーションシップベースのマーケティングを提唱し、Forrester Researchのレポートでも最高評価を獲得しています。
レスポンシス合同会社 日本語公式ウェブサイト

[プレスリリース]米国Responsys(レスポンシス)社とクロスチャネル・キャンペーン・マネージメントソフトウェア「Responsys Interact Suite」の販売パートナー契約を締結

増え続ける情報量と多様化するチャネル

技術の進歩に伴う情報の量に世の中が追いついていません。デジタルマーケティングの世界においてそれは特に顕著なのではないでしょうか。

『Responsys Interact 2013』では今後のデジタルマーケティングのあり方やそれに対する「Responsys Interact Suite」のアプローチが発表されました。

より細分化された個人の嗜好データはもちろん、位置情報、人間関係、所持デバイス等、書き出せばきりがないほど様々な情報を企業が取得できる時代になりました。

また顧客へのリーチチャネルも多様化を続け、メール、ディスプレイ、モバイル、ソーシャル等、増え続けています。

増え続ける情報に対して「Responsys Interact Suite」をどのように活用し、企業と顧客の利益へつなげていくべきか。サンフランシスコの3日間を振り返り解説していきます。

マーケティングの時代別変化

キーノートセッションでは、Responsys社 プレジデントのスコット・オルリッチ氏が、マーケティングの進化を「Customer Era」「Campaign Era」「Relationship Era」と、3 つの時代に分けて提示しました。

Customer Era

高度なマーケティングが存在する以前の時代は、人と人との関係性が強くビジネスに影響していました。街の商店などに代表されるように、消費者とビジネスの間には深い関係があるもののビジネスモデルとして定義するにはスケールが足りません。このようなケースでは、顧客対象が限定され、ビジネスとしてのスケールはとても小規模でした。1店舗で提供できるサービスも限られているため消費者は多くの選択肢をもてません。

Campaign Era

より多くの消費者に数多くの情報を高頻度で提供するマスマーケティングの時代です。大きな予算を全国規模で投入し、認知を得ることで競合製品と差別化を行います。 例えば、大手企業が有名タレントをCMに起用しテレビやラジオ、雑誌など様々なチャネルで大量露出し新製品を売るためのキャンペーンを実施しています。この時代、ビジネススケールは実現したものの、商品ありきの一方的な情報提供に、消費者との関係性は希薄になりました。一方で、企業からの情報は増え、消費者は多様な選択肢を持てるようになったことも事実です。

Relationship Era

顧客1人1人に目を向け、最適なタイミングで最適な情報を提供する。上記2つの時代の利点を併せ持つマーケティングの時代です。画一的なキャンペーンを消費者に押し付けていたこれまでの時代から、顧客規模を維持しつつ1人1人に目を向けた最適なキャンペーンを提供するという一見矛盾した2つの要素を実現する必要があります。 AmazonやZapposなどほんの僅かな大手企業のみが実践段階にいる状況です。一般的な多くの企業はこのRelationship Eraの実現手段を模索しています。

「Responsys Interact Suite」は様々なマーケティングツールと連携し、顧客ごとに最適なコンテンツを自動でメール配信することができるツールです。行動履歴や属性などの顧客セグメントごとにシナリオを組み立て、想定される行動に沿ったメールコンテンツの配信が可能です。
この機能こそが、肥大化を続ける情報と多様化するチャネルを操り、顧客規模を維持しつつもパーソナライズされたデジタルマーケティングの実現を可能にするのではと改めて強く感じました。

データという武器をどう使うのか?

データは企業にとって武器とも言えます。時代の変化とともに、企業が得られるデータ量と顧客へのリーチチャネルは増え続けています。武器が増えればますます強くなれると一見考えてしまいますが、どの武器をどのように利用すれば最大の利益が得られるのか、まだ誰もわかっていないのではないでしょうか。
「Responsys Interact Suite」はその答えに効率よくたどり着くための力強いツールの1つであると、セッションを通じて感じました。

第2回では「Responsys Interact Suite」導入企業の具体例を用いた、「Responsys Interact Suite」の実践的な活用方法をご紹介いたします。

谷米 竜馬

ハワイ大学生物学部を卒業後、京都大学再生医科学研究所にて脳発生の研究により医科学修士号を取得。卒業後は大手ECモール企業にて新規媒体開発やECコンサルタントを経て、現在はCRMに重点を置いたマーケティング戦略の立案に従事。 顧客分析から施策の提案を行い、大手クライアントの売上拡大業務に貢献。