Eメールマーケティングを行う上で、配信したメールがどのくらいの人にリーチできているかを探る指標として、「開封数」や「開封率」を用いているマーケティングご担当者は多いと思います。
今回は、「未開封」が意味することにスポットを当て、これからのコミュニケーションのあり方についてお伝えします。

御社のメルマガの開封率、何%ですか?

HTMLメールでは開封タグを挿入してメールごとの開封率を把握することができます。
もちろん業種・業態や登録の形態、メールの内容によって大きく異なりますが、例えば企業から月1回程度配信される販促目的のメールマガジンなら最近の開封率は10%~20%くらいでしょう。
メールマガジンをCRMのツールとして活用している場合はメール開封率をKPIとして評価している企業も多いと思います。

「未開封者」について考えてみる

しかし一方で、「未開封者」についてはあまり深く考察されることがありません。
最近弊社が実施した「メールマガジン購読実態調査」で「読まなくなった、もしくは読みたくないメールマガジンはどうしていますか?」という質問に対して「配信停止や退会の手続きをしている」と答えた人は全体の約50%でした(複数回答)。
「受信の都度、手動でメールソフトの『ゴミ箱』フォルダに移している」と回答した人は53.8%。また、自動設定でゴミ箱フォルダまたは迷惑メールフォルダに振り分けている人は合計で17.9%いました。そのまま受信を続ける、という人もいます。
もうメールマガジンを読む気がなくなっても、半分以上の人は配信停止や退会の手続きをしてくれないのです。

この構造をイメージ図にすると下図のようになります。(議論をシンプルにするために比率は無視しています)

「ノンアクティブ層」の発見

C,D,Eの人はまずその企業からのメールマガジンを開封しません。「読まない・読みたくないメールマガジン」として認識しているからです。毎月メールマガジンを配信していても1年以上開封していないような登録者はこれにあたります。このような登録者を「ノンアクティブ層」と呼ぶことにします。(ノンアクティブと判断する未開封期間はケースよって異なります。)

ノンアクティブ層は登録者全体の何%程度なのか、いくつかの企業で調査してみたことがあります。5年以上継続して月1回のメールマガジンと複数の号外メールを配信している企業では全体の少なくとも10%以上、多い場合は30%程度が1年以上未開封のノンアクティブ層になっていました。

ノンアクティブ層のうちEの人が今後開封することはまずありませんが、C,Dの人は件名には目を通しているかもしれません。
問題は、C,Dの人に対して不要なメールを配信し続けるとEまたはFに移行する可能性が極めて高いということです。

メール未開封者の中には、これ以上今と同じメールを送信すべきでない人が含まれているのです。
できればC,Dの人(=ノンアクティブ層)は通常のメールマガジン配信から外して別なコミュニケーションを検討し、開封率やクリック率も母数からノンアクティブ層を除外して計算すべきだと思います。

ノンアクティブ層にどう対処するか

ノンアクティブ層への対応策として、例えば以下のようなオプションが考えられます。
(別な機会に事例を交えてより詳しくご紹介したいと思っています。)

・号外メールなどの配信をストップし、最も基本的なメールマガジンだけを配信する。
・反応を引き出すためにノンアクティブ層向けの特別なメールを送信する。
例)誕生日メールなどOne-to-One要素が強いメールの特別バージョン
明確な特典・メリットだけを訴求するメール(プレゼントやキャンペーン)
商品などに関してご意見をお聞きするためのアンケートメール
・今後のメール配信希望を再確認するための「再パーミッションメール」を送信する。
・メール配信希望の確認がとれない場合、全てのメール配信をストップし配信データベースから除外する。

しかし最も大切なのはノンアクティブ化自体を防ぐことです。
メールマガジンの登録者は登録時点では配信を希望されていたはずで、本来は100%近い開封率でもおかしくありません。

開封率が25%のメールマガジンは比較的反応の良い部類に入りますが、裏返すと75%もの人にとって不要な、意味のないメールだった可能性があります。
どうしてこの未開封者が発生するのか、もう一度読者の視点に立って登録フローやメールコミュニケーションのあり方を見直してみる必要があるのではないでしょうか。

岡本泰治

岡本泰治

京都大学卒業後、株式会社リクルートを経て1993年ディレクタスを設立。航空会社や自動車メーカーなど大手企業のEメールマーケティング戦略を立案・実行し、近年ではマーケティングオートメーション(MA)導入支援や、MAと連繋し顧客とリアルタイムな対話を実現するチャットボットサービスをスタート。1to1マーケティングを推進すべく、長年培ってきたノウハウや、常に最新のソリューションを提供する。