イベントレポート

【セミナーレポート】「欧米でのOne-to-Oneコミュニケーション・Eメールマーケティングの潮流」Movable Ink CEO Vivek Sharma(ヴィベック・シャーマ) 氏

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こんにちは。ディレクタスの寺谷です。
今回は11月13日(火)に開催しました弊社主催のセミナー「One-to-One Customer Experience 2018」(3部構成)の第1部をレポートいたします。

第1部は、Movable Ink CEO Vivek Sharma(ヴィベック・シャーマ)氏をお招きし、「欧米でのOne-to-Oneコミュニケーション・Eメールマーケティングの潮流」についてご登壇いただきました。

Movable Ink(以下「MI」)は、本社はニューヨークで、サンフランシスコ、シカゴ、東京、シドニー、ロンドンに拠点があり、グローバルにビジネスを展開。

アメリカでは、スターバックスやマクドナルド、PUMA、UNITED、Hilton、AMERICAN EXPRESS、PayPal、Microsoft、SONYなど既に世界有数の企業600社以上が導入。2017年秋から日本で営業を開始し、既に大手日系企業15社の導入実績があります。


フォレスターとハーバードビジネスレビューによると、アメリカのデジタルマーケティングテクノロジーの市場規模は960億ドルになり、多くの企業が多額の投資をしていますが、66%のCMOが目標に達成できない状況に陥っているようです。

また、アメリカで起きている問題として、今のデジタルマーケターはセグメントを行い、適切なメッセージをターゲットメッセージすることは出来ていますが、誰に何をコミュニケートするのか、どうやってコミュニケ―トするのか、その認識が未だ整っていない状況とのことです。

そして、マーケッターが認識する必要があることは受け手側の日々の行動を考えてみると、ビジュアルコミュニケーションが非常に多い点です。例えば、1日に180億ものデジタル写真をインターネットにアップロードし、SNS上では420億もの「いいね」を押され、50億の絵文字が送信される状況を鑑みると、MIは人の心を動かすのはまさに「One-to-One Visual Communication」ではないかと考えているとのことです。

One-to-OneビジュアルコミュニケーションをEメールで配信するためには以下の3つのことが重要とのことです。
1つ目は、ユーザーの心を打つビジュアルコミュニケーションであること。
2つ目は、ユーザーに関連するデータに基づく内容であること。
3つ目は、ユーザーがコンテンツにアクセスする度に最適な内容に変わること。

MIはユーザーの天気天候や使用しているデバイスなどの「文脈データ」だけでなく、ユーザーの行動に基づくデータを扱うことができます。
例えば、WEBサイトで商品をカートに入れたというデータや決済まで進まなかったカート放棄のデータなど、ユーザーの行動に基づいたコンテンツを表示し、購入を促すことが可能です。そして、企業が収集したユーザーに関するデータ、例えばポイント残高や会員ステータス、購買履歴なども扱うことが可能です。
また、画像や商品説明テキストなどのコンテンツはウェブサイトやCMS、更にはInstagramやTwitterといったSNSとデータ連携することにより、様々なチャネルのコンテンツをEメールで流用・展開することができます。
これらデータとコンテンツを組み合わせてビジュアルなコミュニケーション、さらに言うとEメールを開いた瞬間に、最適な内容が生成されるリアルタイムなコミュニケーションができるとのことです。

MIのOne-to-Oneコミュニケーションは、Eメールのみならずオムニチャネルにも対応しているとのことです。
上記画像は旅行代理店の事例で、「①Learn:Eメール」で“旅行に行った際、どういったリクレーションをしたいか”を4つのイメージからユーザーに選んでもらいます。メルマガに登録したばかりのユーザーの場合、趣味・嗜好が全くわからない状況ですが、MIの投票機能を使い、ユーザーに回答いただくことで、個人個人の好みを知ることができます。
次に、このユーザーがEメールから離れて、WEBサイトへ来訪した際、事例の「②Personalize:Category Page」のように、既にこのユーザーはハイキングが好きだと投票結果から把握しているので、TOP画面にはパーソナライズされたハイキングの画像が表示され、ハイキング関連の商品が並び、お勧めのハイキングスポットをサジェストします。
そして、ユーザーが好みのバックパックが見つけて商品ページに遷移した時、「③Focus:Product Detail Page」のように、そのバックパックを使ったInstagramの写真を表示することができるとのことです。更に、ユーザーがウェブサイトから離れた際、ハイキングの画像やクリックした商品の画像、説明文、在庫数などを含めたリターゲティング広告を配信することも可能です。

 

また新しいチャネルとして、LINEがあるかと考えているとのこと。
既にMIを導入して頂いているゴルフダイジェスト・オンライン様は新たな試みとしてMIのスクラッチ機能をLINE配信で行いました。

具体的には、LINEで配信されたスクラッチクジを押下すると、LINE内のブラウザーが立ち上がり、その中に表示されたスクラッチカードを指やマウスで擦るとクーポンが現れ、クーポンがもらえる仕掛けになっています。

実際、スクラッチありのユーザーとそうでないユーザーを比較した結果、スクラッチありのユーザーの方がクーポン利用率が1.7倍上ったとのことです。


上記以外にもたくさんの事例をご紹介いただき、セミナー終了後の参加者アンケートでも「詳しく聞いてみたい」といったご意見を多くいただきました。
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。

なお、Movable Inkやディレクタスのサービスについてご興味をお持ちいただけましたらご遠慮なくお問い合わせください。 お問合せはこちら

また、Movable Inkの詳細はこちらです。

>第3部「総合証券のOne-to-One最前線!そして次の展開は?」はこちら


寺谷 大輔
長年SIerでシステム開発、データ分析やBIの導入支援、企画支援などを経てディレクタスに入社。 現在は顧客行動分析などアナリストとして分析業務に従事。