イベントレポート
こんにちは。ディレクタスの村山です。
今回は7月13日に開催されました株式会社翔泳社 ECzine編集部企画のECzine Academy講座「MA時代のメール・LINE活用講座」に弊社代表岡本が登壇しましたのでご報告します。本セミナーでは、「ECで効果を上げるマーケティングオートメーション(MA)活用法」と題し、MAの概要やECで効果を上げるための活用方法、事例についてお話しました。
マーケティングオートメーション(MA)の活用目的と2つの要素とは?
一般的にMAというと顧客とのコミュニケーションを自動化することが目的、と理解されがちですが事業体ごとでその利用目的は異なります。
例えば、BtoC企業の場合、売上を上げるためには既存顧客に対しOne-to-Oneのコミュニケーションを取る必要があり、それを実現するためにMAを活用します。
一方BtoB企業では、売上を立てるのはセールスであり、確度の高い見込み客をセールスに渡すためにMAを活用します。
MA=One-to-Oneコミュニケーションを自動化させるもの、という定義は間違えではないのですが、それのみが目的ではないということを理解する必要があります。また、MAには大きくわけてOne-to-Oneとクロスチャネルの要素があります。
One-to-Oneには、更に「タイミング」と「コンテンツ」の2種類があり、効果を上げるためには「タイミング」を顧客ごとに適切に設定する必要があります。
例えば某ファッションECサイトの場合、一斉配信のメールマガジンと比較すると、顧客ごとに最適なタイミングで配信しているメールの開封率・クリック率は約4~6倍、購入率は約9~16倍になります。
顧客ごとに適切なコンテンツを作成することも大切なのですが、効果を上げるためには顧客ごとの動きに対応した「接客」のようなアプローチが求められているのです。もう1つの要素であるクロスチャネルも、顧客とのOne-to-Oneコミュニーションを実現させるために非常に重要です。顧客と企業を結ぶチャネルが増えていくにつれ、タッチポイントは増えていますが、ここで重要なのは受け取り側の顧客にとって企業は1つであり、複数のチャネルを連携させアプローチを行わなければ効果を発揮できないという点です。つまり全てのチャネルを束ね顧客へアプローチすることが企業に求められており、そのためのMA活用がこれから本格化していくと予想できます。そして今後、顧客とOne-to-Oneコミュニケーションを取っていく上で最も活用されるであろうチャネルはLINEであると予想されます。メールの約2倍の効果があるといわれ、今では低コストで利用可能になっているLINEですが、まだまだ活用できている企業は多くはありません。業態にもよりますが、LINEの活用は今後拡大していくであろうと岡本は話しました。
MAを活用して効果を上げるために
MAを活用する目的は顧客のLife Time Value(LTV)を最大化させることにありますが、多くの企業ではMAの導入と鉄板施策の実装が目的となっています。
しかし重要なのはMAを導入し鉄板施策を実装するだけではなく、その上で顧客戦略に基づいた施策を追加し、いくつもの施策やA/Bテスト等を実施しながらPDCAサイクルを回し、最良の施策を追加していかなければLTVの最大化にはつながらないということです。
例えば弊社では、KGI目標を達成するために企業様と定期MTGを実施し、既存施策のパフォーマンス分析や改善案の検討、新規施策の提案・検討を実施し、PDCAサイクルを高速で回しています。これらを行わなければ顧客のLTVを最大化できるような施策は生まれないのです。つまりMAを導入する本来の目的は顧客のLTVの最大化であり、それらにつながる施策を生み出すためにはPDCAサイクルを回し新規施策の追加や既存施策の改善を行うことが重要であると岡本は説明しました。
新たなテクノロジーとチャネル
MAと連携し顧客とのOne-to-Oneコミュニケーションを進化させる新たなテクノロジーや技術が続々と生まれ、私達の想像よりも速い段階で利用可能なレベルに到達することが予想されるとし、岡本は下記3つの説明をしました。
①AI(人口知能)
アプローチ対象の自動抽出、顧客ごとのチャネル・タイミングの自動選択が可能に
②Chatbot
今後AI・顧客データとの連携により対話型マーケティングの実現の可能性有り
③スマートスピーカー
LINEやGoogle、Amazonなどで取扱がスタート、今後大きなビジネスインパクトを与えると予想
新たなテクノロジーや技術が生み出すビジネスインパクトは、これまでのものより非常に大きくなると考えられています。今後MAは上記のような新テクノロジーと連携しながら様々なOne-to-Oneコミュニケーションを実現させるためのエンジンとなっていくことが予想され、導入するだけではなくどのように活用していくかが大きな課題になると思われます。
最後のお話しはとても壮大な印象がありましたが、今までのテクノロジーやチャネルのスピード感からすると、岡本の予想どおり私たちの想像よりも速く生活に浸透するかもしれないですね。
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村山 優
明治大学国際日本学部卒業後大手証券会社に入社し、主に個人富裕層に向けたリテール営業に従事。その後不動産会社での投資用マンション・土地の仕入れ営業を経て、ディレクタスに入社。現在は大手クライアントのCRMに重点を置いたマーケティング戦略や施策の立案を担当。