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運用から提案へ。Salesforce Marketing Cloudコンサルタント資格を取得して見えた視野の広がり

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こんにちは。マーケティングテクノロジー部の五十木です。

Directusに入社して2年半。IT業界未経験で入社し、まずはMAツールの運用を中心に業務を行ってきましたが、少しずつ設計業務や要件定義などの上流工程にも関わるようになってきました。

これまでにEmail SpecialistやAdministratorなどの資格を取得してきましたが、より高い視座での実務応用力をつけたいと思い、Salesforce Marketing Cloud(以下、SFMC)のコンサルタント資格に挑戦しました。

この記事では、資格取得の学習プロセスやその後の業務での変化を振り返りながら、これからSFMCに関わる方へのヒントをお届けできればと思います。

 

資格取得を目指した理由 ― 現場で感じた「体系的な理解」の必要性 

日々の運用業務を重ねる中で、「このジャーニー構成ってなぜこうなっているんだろう?」「もっと効率的なやり方はないだろうか?」と、設計の背景に目が向くようになってきました。

実務の幅が広がるにつれて、SFMCの一機能だけでなく、全体構成・顧客体験・他システム連携まで含めた設計力が必要だと痛感。

タスクをこなすだけでなく、全体を俯瞰して考える力を身につけたい。体系的な理解と判断軸を得たいと思うようになったのが、コンサルタント資格に挑戦した理由です。

 

学習プロセスとつまずきポイント - 「知識」から「応用」へ 

資格の取得に向けて、約1か月間で以下のステップで学習を進めました。 

1.Trailheadを一周流し読みして全体の出題傾向をつかむ

2.要点をおさえつつ、細かい仕様や連携方法、トラブルシューティングに関しては公式ドキュメントを読み込む

3.過去に試験を受けた際の記憶や社内・外部の体験記をベースに理解を定着

 

SFMCコンサルタント試験では、Email SpecialistやAdministratorで扱うような基本的な配信機能やセットアップの理解に加え、ビジネス課題に応じた機能の組み合わせや施策設計といった応用力が求められます。

ユースケースに基づいた要件整理や、MC Connectを通じたSales CloudなどCore製品との連携設計、トラブルシューティング対応など、Salesforce全体を横断する視点が必要でした。

個人的に苦戦したのは、似たような機能が多く存在する中で「どの機能を、どのような状況下で使うのが最適か」を判断する部分です。例えば、トラッキングデータを取得する場合でも、Analytics Builder、データビュー、Email Studioのトラッキングなど複数の手段が存在します。

 

その選定には、「運用者の技術レベルや負荷も考慮して設計する視点」が問われます。機能的には高度な設定や自動化が可能でも、更新頻度が低い・チーム構成が限られるなどの条件下では、むしろ手動運用が現実的な選択肢になるケースもあります。 こうした判断力は試験対策の枠を超えて、実務そのものにも直結するスキルだと感じました。

学習において、Trailheadだけでは補えない部分も多かったため、ドキュメントの読み込みやユースケースごとの図解など、自主的に補強しました。どうしても理解できない部分はChatGPTなどのAIツールにも助けてもらいながら、自分なりの「納得解」を模索しました。

 

業務で実感した変化 - 操作から設計、そして提案へ 

資格取得後、最も大きく変わったのは「視座」です。 これまでは「どうやって配信するか」に重きを置いていましたが、今では「なぜこの構成が選ばれているのか」「他により適切な手段はないか」を自然と考えるようになりました。 また、運用者や他チームのスキルに応じて、「複雑すぎない・現実的な設計」を心がけるようになったことも変化のひとつです。加えて、テストやトラブル時の対応のしやすさを考慮した構成にすることで、実際のプロジェクトでもスムーズな運用に繋がりました。

現在はまだ実務ではあまり触れる機会が少ないものの、アカウント設定や権限設計、ビジネスユニット構成の最適化といった上流設定についても、今後の案件で活かしていきたいという視点が増えました。

こうした視点が増えたことで、技術的な話し合いにも積極的に参加できるようになり、他部門との連携もスムーズになりました。「共通言語を持って話せる」ことが、プロジェクト全体のスピードや精度を上げる鍵になると感じています。

 

これから挑戦する人へのメッセージ - 目線が変わると、学びも変わる 

この資格は単なる知識試験ではなく、業務の中で「考える力」を養う訓練にもなります。 実務と並行して学ぶのは大変ですが、幸い、DirectusにはMCの自社環境があったため、ドキュメントだけでは掴みにくい仕様も、実際に設定しながら確認できたのが非常に役立ちました。

もし自社にMC環境がない場合でも、Trailheadのシナリオベースの問題を活用したり、オートメーションやセットアップなどの構造を図式化して疑似設計の練習をしたりと、「自分で考える」学習法がおすすめです。

Salesforceの資格の中でも、このコンサルタント資格は「運用者から設計者へのステップアップ」を後押ししてくれる存在です。今までの視野が一段広がり、業務の解像度も大きく変わります。

本記事で、これから挑戦しようと思っている方の背中を、少しでも押せていたら嬉しいです。