マーケティングコラム

進まぬスマホ最適化?  2014年 企業から配信されるメールのスマートフォンにおける受信状況アンケート調査報告

マーケティングコラム

こんにちは。ディレクタスの谷米です。
2014年3月に、企業から配信されるメールのスマートフォンにおける受信状況アンケート調査を実施しました。2012年12月に行ったものと同質問によるアンケートとなっています。

過去1年間において、一時の勢いに比べ若干の鈍化はしているものの、スマートフォンの普及率は引き続き拡大しています。このような状況の中で企業から送られてくるメールを、ユーザーはどのような環境で受信し、どのように感じているのかについて、過去1年間の変化とともにご報告します。

【実施概要】
調査時期:2014年3月
調査方法:インターネット調査
対象者:企業から配信されるメールをスマホで受信している人
対象数:男性560 女性:518 合計1078

スマートフォンを使用するようになり、
パソコンで受信していた企業からのメールについて
以前より読むようになったユーザー比率が拡大

PCで読んでいたメールをより読むようになったユーザーの比率が拡大しています。スマホによる閲覧でPCアドレスへのメールを読む機会が増えたと考えることができます。


スマートフォンでメールサービスに登録する
メールアドレスについてPCメールアドレスの登録が
昨年に引き続き8割を超える

「必ずPCメールアドレスを登録する」「PCメールアドレスを登録することが多い」を合わせると8割を超え ました。一方で、約11.6%の人が携帯アドレスを登録することが多い、または必ず携帯アドレスを登録すると答えています。今後もスマートフォン新規ユーザーが 順調に増え続けるとすると、携帯アドレスユーザーの割合は徐々に減っていきますが、ゼロになるわけではないことがわかります。


企業からのメールを閲覧する端末について
90%以上の人々がスマホとPCの両方でメールを閲覧

全体の約3割の人がメールの閲覧において「スマートフォンファースト」であることが分かりました。前回調査時よりも約6%増加しています。主にPCで見ている人も加えると9割以上の人がメールをPCとスマホの両方で見ています。一方で「パソコンのみで見ている」と答えた人の割合も増加しました。
いずれにしても企業がPC向けメールを配信する際には、PC・スマホ両方で閲覧されることを想定することはもはや当たり前の状況と言えそうです。


スマートフォンでのメール閲読の際に
不便だと感じることについて

全体では、「不便に思うことは特にない」との回答が、13.8.%となり、裏返すと8割以上の人々が何らかの不満を感じていると言えます。この数値は前回調査とほぼ同値となっています。調査期間が1年以上経ったにも関わらず、数値に変化がないことから企業が配信しているメールのスマホ最適化があまり進んでいないのではないかと考えられます。
一方で不便と感じる項目の順位がこの1年ほどで入れ替わっています。「メールが長い」と答えたユーザー比率が最も多く、続いて「リンク箇所がタップしにくい」、「テキスト量が多い」という順位となりました。
また「横にスクロールしないと全体が見られない」と答えたユーザーは約1/3に減少しました。横スクロールの問題はAndroidのGmailアプリが改良されて縮小表示も可能になったことなどによって解消されたものと思われます。
逆に「リンクされている場所がわからない」と答えたユーザーは20%以上増加しています。


谷米 竜馬
ハワイ大学生物学部を卒業後、京都大学再生医科学研究所にて脳発生の研究により医科学修士号を取得。卒業後は大手ECモール企業にて新規媒体開発やECコンサルタントを経て、現在はCRMに重点を置いたマーケティング戦略の立案に従事。 顧客分析から施策の提案を行い、大手クライアントの売上拡大業務に貢献。