イベントレポート

【ウェビナーレポート】いざ実践! CRM / One to One マーケティングの最新事情

イベントレポート

こんにちは。ディレクタスの渡辺です。

2020年12月16日に開催しましたウェビナー『いざ実践! CRM / One to One マーケティングの最新事情』のご報告をいたします。

本ウェビナーは株式会社ロケーションバリュー様、株式会社EVERRISE様と共に「デジタルマーケティングの実践方法」をテーマとし、日々のデジタルマーケティング運営にすぐ活かせる実践的な内容をお届けしました。

2020年12月16日(水)開催ウェビナー『いざ実践! CRM / One to One マーケティングの最新事情』

1.「実践One-to-One ~LINE/アプリ/メール 活用の実際~」ディレクタス 代表取締役 岡本 泰治
2.「【攻めのDX】実践のポイントと効果的なデータ活用法」 EVERRISE 取締役 伊藤 孝氏
3.「Growth Marketing実践にあたって留意すべきこと」 ロケーションバリュー 取締役 三石 剛由氏

1.実践One-to-One ~LINE/アプリ/メール 活用の実際~

弊社代表 岡本からは、まず、CRMの重要性が再注目されていること、必ずしも“カスタマー”だけではなくその手前(サイト閲覧者など)も含めた“CRM的”コミュニケーションが拡大している現状についてお話しをしました。

現在のCRM的コミュニケーションは1to1プッシュチャネルで既存顧客だけでなく見込み客もカバーします。その1to1プッシュチャネルはDM、メール、LINE、アプリとありますが、戦略によって使うチャネル/注力すべきチャネルを選定する必要があります。
よく「1to1をクロスチャネルで“最適化”する」と言われることがありますが、そもそもチャネル毎に特性が大きく異なり、運用的にも負荷が高いため、メールやLINEを有機的に組み合わせて一つのシナリオを作り運用をするクロスチャンネルを全面展開するのは現実的ではありません。

ユーザー視点で見れば、必要な情報が自分の利用するチャネルで届けられていればいいわけで、その意味では複数のチャネルで同じ情報が届けられるマルチチャネルで十分だといえます。緻密なクロスチャネルコミュニケーションは注力すべきターゲットやタイミングに絞って実装するのが現実的です。
そのためにも、ターゲットとゴールを明確にしたCRMのコミュニケーション戦略を明確にするのが重要です。

最後にディレクタスがコミュニケーション戦略を策定する際のフレームワークをご紹介しました。

2.【攻めのDX】実践のポイントと効果的なデータ活用法

DX(デジタルトランスフォーメーション)のテクノロジー支援としてシステム開発やCDPのツール提供など、“攻めのDX”に必要なサービスを揃えているEVERRISE社の取締役 伊藤 孝氏より、顧客データ統合で実現できることや必要なシステムについてお話しいただきました。

まず、現状とデータ統合をするメリットについて説明をし、顧客データ統合に必要なシステムの紹介をしました。

■データ統合に必要なシステムは4つの機能で構成されている

1.Data Lakeと呼ばれる、さまざまなデータを溜めておく箱

2.ETLと呼ばれる、データの入出力や加工をしやすくするツール

3.DWH(Data Warehouse)という分析用に使われるデータベース

4.デジタルタッチポイントといったアクセスログの収集、行動ログの収集のためのログ収集機能

この4つの機能はまさにCDPの領域であり、データの発生源からデータを1つにまとめて溜め込み、最終的には施策ツールに使っていく流れになります。Data Lakeなどのシステムはそれぞれ個別にクラウドサービスで提供されているものを利用して作ることも可能ですが、ただ並べただけだと顧客データは上手く活用できません。

その問題を解決するために、CDPはいくつかの機能を用意しているとして、CDPを利用する4つのメリットを挙げました。

■CDPを利用する4つのメリット

1.データの名寄せやID統合と呼ばれる処理が簡単にできる
CDPは名寄せやID統合を最初からフォローしています。

2.集計の一部処理がすでにCDP内でされている
例えばGoogle AnalyticsのPV、UU、セッションというある程度人に落とした形でサマリーしているように、CDPも集計処理をしているのでデータが使いやすくなっています。

3.複数のAND条件、OR条件を用いて好きなように条件付けして複雑に抽出できる機能を用意している
例えばセグメントを切るためにデータを直接扱おうとするとSQLというプログラミング言語を書く必要がありますが、CDPは管理画面上で簡単に条件をフィルタリングできるようになっています。

4.ツール接続が簡単に実現できる
セグメントにあるデータをターゲットのお客様に送る際に、CDPツールであれば、既にツール同士がつながっているので開発の必要がなく簡単にアクションに移すことができます。

CDPが全てのマーケティング系のツールを網羅することはできませんが、大体どのツールも似たような繋ぎ方なので、ツール同士を簡単に繋げられる機能を有しています。

最後にプロジェクトを進めるうえでの体制として、コンサルティングファームやツール・システムベンダーを上手に利用して、社内のリソース、ナレッジ不足を解消することがお勧めであるとし、大手アパレル企業の推進例をご紹介しました。

3.Growth Marketing実践にあたって留意すべきこと

スマホアプリ開発や顧客行動分析をコアドメインに一気通貫でサービスを提供するロケーションバリュー社の取締役 三石 剛由氏より、グロースマーケティングについてお話しいただきました。

まず、データ活用における重要な4つのステップ、「ためる」「整える」「分析する」「つかう」を分解して、「1.設計・環境整備」、「2.顧客理解」、「3.施策展開」の3つについて説明をしました。

1.設計・環境整備
テーマ設計、必要データの明確化、データ利用環境の工程をしっかりしておかないと、顧客理解や施策展開時に苦労をします。
データ利用の環境を整備する際、提供するサービス自体を因数分解し、しっかり全体像を理解、把握する「タクソノミ設計」が何より大切な工程となります。

2.顧客理解
現在は速いスピードで状態が変化していくので、顧客理解もスピードが重要です。
分析方法は企業やサービスによって多岐に渡り、それぞれ単体では正しい顧客の理解はできません。目的に応じて方法を使い分けることが重要です。
例えば従来型のマーケティングでは性別、年齢、職業などの粗いデータに対して購買履歴などを組み合わせて、趣味趣向、購買傾向からユーザー像を見ていました。しかし今後は、例えばカート落ち後はどういう行動を取ったのか、カート投入回数による購買率の変化はどうなのかなど、顧客の行動をより高い解像度で捉えることが必要不可欠です。

3.施策展開
顧客を「知る」でおしまいではなく、施策を「打つ」「企てる」に繋げていくことが大事です。
CRMが進化していく中で、モーメントを捉えるリアルタイムマーケティングが非常に重要になってきます。

また、これからは「行動軸」でユーザーを把握・理解することが必要不可のため、複数のソースからデータを集め、データを使える状態に整えて分析するのが大切です。それらを瞬時にできる米国No.1の行動分析ツールAmplitudeのデモストレーションを行いました。
Amplitudeはアメリカを中心に40,000製品への導入実績があり、GAFAMの三社が継続的に利用しているツールです。
例えば、マネージャーがマーケターに行動に関する問いをした場合に、マーケターはエンジニア、分析官、プランナーに依頼をして分析結果が出るまでに3週間から1か月くらいかかるケースが多いですが、Amplitudeの場合は30秒くらいでポイントがわかり、素早く本質をつかむことができます。ダッシュボードの機能があるので、ダッシュボード化して共有すれば、社内のさまざまな人の目線を合わせやすくなります。
※ロケーションバリュー社は、Amplitudeの国内唯一のプレミアムパートナー契約を締結しています。

最後に、これからのCRMで意識すべきこととして「行動分析」「高速に施策を繰り返す」「的確な目標・指標設計」の3点を挙げ、こちらはロケーションバリュー社が提唱するビジネス・サービスを持続的に成長させるためのマーケティングフレームワーク「グロースマーケティング」の3つの軸であると三石氏は締めくくりました。


最後のパネルディスカッションではCRM市場の動向や注目していることをはじめ、データ統合の工程で気をつけるポイント、広告とCRMの連携や注力配分などについて3社それぞれの知見を発表するなど、盛り沢山な内容となりました。

ご視聴いただきました皆さま、ありがとうございました。

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渡辺 知子
広告代理店勤務を経て、2005年、ディレクタスに入社。 航空会社や電機メーカー、タイヤメーカーなど大手クライアントのEメールマーケティング企画制作やPDCAサイクル運営サポート、コンテンツ企画、WEBサイト運営などを経て、自社のマーケティングに従事。