マーケティングコラム
7月2日に開催した弊社セミナーでは、Omniture SiteCatalyst®の web解析データを活用したEメールマーケティングについてお話しました。(ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。)
このところ、インターネットマーケティングの世界でもますます厳しくROIが求められるように なりましたが、今回のセミナーのテーマをワンフレーズで表現すると、「web閲覧履歴に基づく行動ターゲティングメールでROIを向上する」となります。
「行動ターゲティングメール」とは、web上の行動からユーザーのニーズを推測し、そのニーズに応じて最適なメールを配信する手法のことです。
例えば…
1) ECサイトで商品を買い物かごに入れたが購入しなかった顧客だけに期間限定の割引クーポンメールを送る。
2) 金融商品サービスで最近資料請求をした見込顧客が商品説明ページに再訪したら、自動的にインセンティブ付きの申込促進メールを届ける。
3) 新型ミニバンの予告ティザーメールを、最近ミニバン関連のページを見た人だけに送る。
これらは全て、web閲覧履歴によってユーザーのニーズを推測し、 最適と思われるメールを配信するというターゲティング手法です。
「今この瞬間」のニーズを捉える
「行動ターゲティングメール」の最大の強みは、「今この瞬間」のユーザーニーズに基づいてアプローチできる点です。
これまでのターゲティングでは初期登録情報や購買データを活用するのが精一杯でした。(それだけでも結構大変なことです。) しかしそれらは全てユーザーの「過去の」ニーズを表すデータです。「今この瞬間」にユーザーがどのようなニーズを持っているかは知る由もありません。
例えば登録時のアンケートで「ジャズに興味がある」と答えている人が今でもジャズファンかどうかは分かりません。また、最近ジャズのCDを買った人が次もジャズを買うとも限りません。そろそろ飽きて次は他のジャンルの音楽を聴きたくなっているかもしれないのです。
web閲覧なら「今この瞬間」のニーズのありかが分かります。
ジャズCDのページを立て続けに見ている人は、「今この瞬間」ジャズに関心があることは間違いありません。そこにオススメのジャズCDを紹介するメールが届いたら、きっと関心を持って読んでもらえるでしょう。
無関心な時に受け取ると単なるSPAMメールと思えるメールでも、今まさに商品購入を検討しようとしている時には、少しでも多く欲しい有益な情報源となります。
顧客のニーズが一気に高まるその瞬間を捉えることができれば、お互いがハッピーな情報提供=販売促進活動を行うことができるのです。
その効果については先ごろ弊社と翔泳社様(MarkeZine)とで実施したトライアルの検証結果を発表していますので、ぜひそちらもご覧ください。
★web閲覧履歴から「今この瞬間」のニーズに基づいて配信するメールは通常のメールの6.6倍もの効果があることが実証されています。
次のステージに進むEメールマーケティング
今回私たちが推進している「SiteCatalyst×Email Marketing」の最も画期的なところは、SiteCatalystとメール配信システムのデータを連携させるだけで簡単に「行動ターゲティングメール」を実現できる点です。(もちろんSiteCatalystとメール配信システムの導入は必要ですね。)
行動ターゲティングのコンセプト自体は以前から語られていましたし、大手ECサイトなどでその一部は実現されていました。
しかし、その実現のためには大掛かりなシステムが必要となり、場合によっては数千万円またはそれ以上のコストが必要でした。効果があると想像できても容易に踏み込めない領域だったのです。
それが、既存のシステムを連携するだけで実現可能になりました。
私はディレクタス設立以来足掛け17年もの間、色々な形でダイレクトマーケティングに取り組んできましたが、昔からこんなデータ連携ができたらいいのに、と考えていました。
ITの進化によってようやくこんな場所までたどり着くことができた、という感じです。
Omniture社は米国では早くから戦略的に外部パートナー企業のさまざまなマーケティングシステムとのデータ連携を進めており、中でも最も多いのが効果の出やすいメール配信システムとの連携です。
弊社はOmniture社正規代理店としてSiteCatalystの導入・運用をサポートしつつ、これまで培ってきたノウハウを活かした「行動ターゲティングメール」によってEメールマーケティングを次のステージに進めたいと考えています。
少しでもご興味をお持ちでしたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。
岡本泰治
京都大学卒業後、株式会社リクルートを経て1993年ディレクタスを設立。 航空会社や自動車メーカーなど大手企業のEメールマーケティング戦略を立案・実行し、近年ではマーケティングオートメーション(MA)の導入支援やシナリオ設計、MA導入後のOne-to-Oneクロスチャネル展開設計など、常に最新のソリューションと長年培ってきたノウハウをもとにOne-to-Oneマーケティングを推進。