マーケティングコラム
今年に入り、配信システムにおいてもスマートフォンへの配信に本格対応するなどリリースが発表され始めました。急激に増加するスマートフォンユーザーに対して、どのようなコミュニケーションを行えば良いのか・・・。2012年は、マーケッターの方々にとっても本格的な検討が迫られる一年になるのではないでしょうか。
ディレクタスでは、昨年、一般ユーザーの方を対象に「スマートフォンにおけるメール機能活用実態調査」を実施しました。
今回は、一般ユーザーへのアンケートと同様の設問をマーケッターの方におうかがいした結果を比較してご報告します。
今年のマーケティング施策にお役立ていただけましたら幸いです。
マーケッターと一般ユーザーのアンケート結果比較
【対比1】スマートフォンでメールマガジンを受信する場合、使用するアドレス
マーケッターに比べ、一般ユーザーではキャリアメール単独利用率が高い
一般ユーザーは「キャリアメールのみ使用している」との回答が15.4%となり、マーケッターに比べ約3.5倍と高い数値になりました。逆に「キャリアメール、webメール同割合で使用」との回答は、マーケッターでは30%を超え、併用率が高い結果がうかがえました。一般ユーザーは、フィーチャーフォンの代わりとしてスマートフォンを利用している割合が相対的に高いと考えられます。
【対比2】webメールを閲覧するデバイス
一般ユーザーは、主にパソコンで閲覧
スマートフォンで使用しているwebメールを「スマートフォンのみで閲覧」している割合は、一般ユーザーでは6.3%、マーケッターでは、15.2%となりました。一方、一般ユーザーの約半数は「主にパソコンで閲覧している」結果となっています。パソコンの代替デバイスとしてのスマートフォン利用は、マーケッターに比べ一般ユーザーでは、まだ進んでいないようです。
【対比3】スマートフォンでのメールマガジン閲覧時の不便な点
マーケッターよりメールの長さを気にしている一般ユーザー
スマートフォンでメールマガジンを見る際に感じている不便さの大小は、マーケッターと一般ユーザーでは同様の傾向でした。1点着目したい点は、「メールが長い」との回答で一般ユーザーがマーケッターを約4.3%分上回っている点です。スマートフォンでの閲覧を考慮した際に、どのくらいのボリュームでメール制作をしたら良いか悩ましい点であるかと思いますが、今後の施策を検討する上で、気づきのある結果となったのではないでしょうか。
2011年11月の携帯電話全体の月間販売台数に占めるスマートフォンの割合は、70%(「BCNランキング」より)と発表されました。メールマーケティングを担当されている方々にとっては、これまで、”「携帯ユーザー」と認識していたユーザーがいつの間にか「スマートフォンユーザー」になっていた”という状況で、実態が分かりづらくなっているのが現状ではないでしょうか。
また、マーケッターの皆様の動向からもわかるように、スマートフォンがパソコンの代替デバイス化していく事も考えると、状況はさらに複雑化していきます。
2012年はスマートフォンユーザーの動向をいかに捉えるか、そしてスマートフォンユーザーにどのようにアプローチしていくかがメールマーケティングの効果を最大化するカギになりそうです。
岡本泰治
京都大学卒業後、株式会社リクルートを経て1993年ディレクタスを設立。 航空会社や自動車メーカーなど大手企業のEメールマーケティング戦略を立案・実行し、近年ではマーケティングオートメーション(MA)の導入支援やシナリオ設計、MA導入後のOne-to-Oneクロスチャネル展開設計など、常に最新のソリューションと長年培ってきたノウハウをもとにOne-to-Oneマーケティングを推進。