渡辺修
渡辺修
社員ブログ
こんにちは ディレクタス執行役員の渡辺(お)です。渡辺姓が他にもいるの下の名前のおさむの(お)をつけるようにしています。今日は、もうすぐ高校を卒業する息子に読んで欲しいとおもうメッセージを綴らせてもらいます。
高校卒業おめでとう!
3年前にたくさんの楽しみ、希望を抱いて入学した高校生活が新型コロナウィルスの影響で思いも寄らない高校生活になってしまったね。友達と会って、喜び合うこと、笑い会うこと、本当はもっとたくさん経験できたはずなのにね。 この世の中には自分ではどうすることもできないと思えることがあります。これからもあるとおもいます。そんな時は、それを誰かのせいにするのではなく、誰かに解決を委ねるのではなく、不平を言ったり不満な態度をとるだけではなく、自分はその中で何が出来るのかを考えて行動できる人になってほしいと思っています。
4月からは大学生活が始まりますね。
東日本大震災のおこったその年に1冊の本と出会いました。当時の立教新座中学校高等学校校長「渡辺 憲司」先生の卒業生へ向けてのメッセージを綴った「時に海を見よ」という本です。君が高校を卒業するタイミングで読んでほしいとずっと思い続けていた本をようやく手渡すことが出来ます。これからの日本を生きていく18歳に向けてたくさんのメッセージが詰まっている本です。
この本を読んで、その言葉を借りながらの親父からのメッセージです。「海を見に行きなさい」孤独な時間を作りなさい。山に登るのもいいけど、小学生の時に一緒に富士山へ登ったあとから、山登りは嫌みたいだからね。一人で海をみて何を思うか、考えるか。これからの4年間は「自由」でいいよ。高校までは日々の行動をある意味、親や学校に監視されて縛られいました。社会に出て仕事を始める、新しい家族をもつ、そうするとまた自分勝手なことは許されなくなります。朝、「行ってきます」と家を出れば今までは学校へ、社会に出れば会社へ行くのが当たりまえになります。ただ大学生活中は「行ってきます」と言って家を出た後に、海を見に行くことも、山に行くことだって許されます。18歳という時期はこれまでの自分を大きく「リセット」することだって可能です。これまでの自分を一回「空っぽ」にすることもいいよ。忘れていいこと、忘れたらいけないこと、忘れないといけないことを一人で海を見ながら考えてみてほしいなと思います。
親父は流石に50代も半ばに差し掛かると人生を「リセット」することは難しい。約30年に渡って社会の端のほうで豆粒より小さい存在ながら一生懸命に動き回ってきたけど、これからの日本を任せる君たちへは我々大人は大きな負の遺産を残してきてしまったことを謝らないといけない。悔恨の念がつのります。
それでも、がんばってほしい。
今からの4年間で「自分にはできる○○がある!」という○○を見つけ出して、それを大事に育てていって欲しいと願います。人との関わりもどんどん増えてきます。そんな時、相手の立場や相手のもっている痛み、様々な事情、これらを完全に共有することは出来ないのだけど、共有に向かって進み続けてみて欲しい。今、このメッセージを書いている時点では、まだ第一志望の大学に行けるか行けないかはわからないけれど、努力した結果でたどり着いた場所は、きっと数十年後に今ある幸せはあの時にあの場所にいたからだと思えるはずです。
最後に、東北の海を見ておいで。一人でね。そこで鎮魂の祈りを捧げておいで。
たおやかな時間を過ごせることを願っています。