こんにちは。ディレクタスの渡辺です。
今回は11月24日(木)に開催しました弊社主催セミナーについてご報告します。

2016年の秋、ディレクタスと人工知能ベンチャーのLaboro.AI社と共同で、顧客データによる1to1対話型マーケティングを実現するAI チャットボットサービスの提供を開始しました。それに伴いまして、今回のセミナーではLaboro.AI社 椎橋氏、そして弊社岡本が登壇し、「AI チャットボット」のサービス概要や実際にどのようにマーケティングに活かせるのか、そしてMAと連繋したAI チャットボットによる“対話型マーケティング”について説明をしました。
※AI チャットボット・・・機械学習技術を用いた高度な対話システム

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チャットボット × AI技術の現状とビジネスへのインパクト

第一部は株式会社Laboro.AI 代表取締役CEO 椎橋 徹夫氏にご登壇いただきました。

チャットボットは現在どのようなタイプのサービスがあるのか、そして技術進化レベルやその現状について説明をした上で、椎橋氏はAI チャットボットの価値、ビジネスにおけるインパクトを3つ挙げました。

 ◎AI チャットボットによるビジネスにおけるインパクト
  ・顧客のニーズを直接聞くことができる(ニーズの把握力が上がる)
  ・顧客の潜在ニーズの顕在化を助ける(ニーズの引き出し力が上がる)
  ・顧客のニーズへの対応力が上がる(チャット上で買い物・予約)

現在はFAQ等に活用されることの多いチャットボットですが、本来は「チャットマーケティング」を本命にすることで顧客の利便性が高まると椎橋氏は語りました。
その際に大切なのは「対話管理」と「コミュニケーション設計(シナリオ)」で、コミュニケーションの流れを書きシナリオを細かく設計をすることで、今までの「質問応答」ではなく「1to1の対話」となり、上記に記載した3つのインパクトが起こり顧客体験が向上すると解説しました。

今はWebアクセスログなどを使って“遠くから”顧客を観察していますが、AI チャットボットで直接対話をすることで、顧客の“今”の状態を知ることが出来たり潜在ニーズを引き出し人間同士の会話とは違う着地点(答え)が得られる可能性もあるという説明に、ご参加いただいた皆さまの頷く姿が印象的でした。

データマーケティングを大きく変える「対話型マーケティング」の可能性

第二部は弊社代表取締役 岡本が登壇しました。

最初に今年発表されたFacebook「Messengerプラットフォーム」やLINE「Messaging API」に触れ、チャットボットが今後存在感を増すメッセージングプラットフォーム上での新たなユーザーインターフェースになる可能性があることを強調しました。

また、今後チャットボットは顧客データベースとの連繋が必須となり、さらに現在主流である“顧客から聞かれたら答える”Reply APIよりも、“顧客に問いかける”ために顧客データを元に発話するPush APIが重要であると岡本は語りました。
現在のマーケティングはデータを元に企業側が予測をし顧客にボールを投げることが主ですが(リスティング広告は一歩進んでいてユーザーの検索から“今”のニーズを把握していますね)、AI チャットボットを使ったコミュニケーションでは、究極の1to1であるリアルタイムの会話が発生し、以下のようにお互いがハッピーになれるループが可能になるのではないかと説明しました。

◎AI チャットボット イメージ

最後に、AI チャットボットが進化をするとCRMの対にある、企業がユーザーに囲い込まれるVRM(Vendor Relationship Management)の可能性があること、そして今後は顧客からの情報をもとに顧客満足度が向上する提案・サービスができるよう、顧客から信用されるやり取りをAI チャットボット上でも出来ればと話しました。

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セミナーの最後には情報交換会の時間を設けました。少しの時間でしたが、皆さまと興味深いお話しができ、「AI チャットボット」への関心の高さを知ることができました。
また、セミナー当日は11月としては54年ぶり?!に東京都心に雪が降りましたが、午後からなんとか天気も回復し、セミナー終了時には会場から綺麗な東京湾の景色を見ることができました。ご参加いただきました皆さま、本当にありがとうございました。

なお、セミナーではデモやフレームワークの概要、導入から運用までのタイムラインなど、AI チャットボットの全体像も紹介しました。資料配布を行っていないので、詳細などについてはご遠慮なくお問い合わせください。お問い合わせはこちら

渡辺 知子

広告代理店勤務を経て、2005年、ディレクタスに入社。 航空会社や電機メーカー、タイヤメーカーなど大手クライアントのEメールマーケティング企画制作やPDCAサイクル運営サポート、コンテンツ企画、WEBサイト運営などを経て、自社のマーケティングに従事。